2021年12月 宮之浦岳(屋久島)


宮之浦岳を望む
・2021年(令和3年)12月29,30,31日、2022年(令和4年)1月1、2日(延べ5日)
・山域:屋久島 宮之浦岳
・目的:九州最高峰の冬山を知る
・参加者:藤森、市橋、藤田、宮森、羽田野マ(SL)、羽田野ケ(計画担当、CL、記録)
・主要行程:(山中2泊3日 避難小屋泊)
■12/29:小月ホンダ9:30…九州道…指宿スカイライン谷山IC…16:30谷山港
【車7:00】
フェリーはいびすかす18:00出港…種子島経由…翌朝7:30屋久島宮之浦港
【船13:30】
■12/30:7:30宮之浦港…民宿屋久島さんに送迎頂く。
宿に宿泊荷物デポ…8:30タクシー移動
10:00淀川登山口…11:30淀川小屋…14:05花之江河…
16:10石塚小屋【6:10行動】
■12/31:4:20石塚小屋…7:00花之江河…8:20投石平…11:20栗生岳…
12:00宮之浦岳山頂
12:40焼野三差路…13:55平石岩屋…16:20新高塚小屋【12:00行動】
■1/1:5:50新高塚小屋…7:25高塚小屋…7:45縄文杉…10:15ウイルソン株
11:10大株歩道入口…13:00楠川分かれ…15:00辻峠…16:00苔むす森
17:10さつき吊橋…雲水歩道…17:40白谷雲水峡広場【11:50行動】
タクシーにて移動30分…民宿屋久島にて宿泊
■1/2:8:30民宿屋久島チェックアウト 宮之浦港まで送迎して頂く。
9:00屋久島観光センター…10:45高速船トッピー2号出港…12:35鹿児島南埠頭
タクシー2台で谷山港まで移動…谷山IC…Uターン渋滞…21:30小月ホンダ解散
(翌朝8:00レンタカー返却)
――――記録――――
■12/29(雨のちくもり)
小月から谷山港までは渋滞もなくスムーズだ。途中予約していた宮之浦港タクシーから電話があり、昨日からの雪で紀元杉までは行けそうだが、淀川までは規制がかかっており行けない。登山客からの情報では積雪1m程度?との事。計画を見直すか検討したが、下界は暖かいので明日には溶けているだろうし、予定通りのコースを行ってみるのが妥当と判断した。
フェリーは食堂がないためコンビニで夕食と朝食を確保して入港する。谷山港の駐車場は無料。年末とあって、帰省客が多く2等船室は満室状態だった。船酔いを軽減するためゴロ寝が一番効果的な事がわかった。21:30種子島についた頃には、ほとんどの乗客が下船して船室が急に広くなった。
カップラーメンの自販機で買わずともお湯だけは確保できた。22時消灯。朝の5時までは停泊して静かだったが、沖に出ると大きく揺れて四つん這いでないと歩けない時もあった。
このため朝食は船内では誰も食べることが出来なかった。7:30屋久島宮之浦港へ入港。
■12/30(くもり)
港では民宿のご主人が迎えに来ていただいており、民宿屋久島まで約10分で到着した。
ところが、宮森さんの新調のヤッケが車のドアに挟まっていて開くことも出来ずしばらく膠着状態だった。なんとかドアが開いて脱出できたが、今度は宿の車がバッテリー切れでエンジンがかからず、この先が不安になってきた。「まあ、あがってコーヒーでも飲んでくださいな」とご主人からのご厚意で、ようやく落ち着いて持参の朝食をとり、身支度も整えることが出来た。
宮森さんは、黒くなったヤッケの端をゴシゴシしている。
予約していた宮之浦港タクシーで8:30出発。海沿いの道端には、ツワブキの黄色い花が
満開で、山道に入るとクワズイモが沢山茂っており、見たこともないような南国の雰囲気に
ワクワクしてきた。途中ヤクザルが5匹ほど現れた。紀元杉では、体慣らしに大きな幹の廻りを一周してみた。心配していた雪は溶けており、10:00淀川登山口に到着した。
10:15出発。登山道は整備されており歩きやすい。淀川小屋は誰もいなかったが広く快適そうだ。吊橋からの川がとても澄んでおり美しい。少しずつ積雪が現れてきたが1センチにも満たないので予定通りに進めそうだ。
13:50小花之江河の湿原では雪とコケの景観を楽しみながら木道を渡る。
14:05花之江河。20年前に山岳会で記念写真を撮ったところで、同じように皆で記念写真を撮った。市橋、藤森、藤田は当時のメンバーで20年ぶりとなる。
東にルートを取り、石塚小屋へ向かう。計画は淀川小屋に泊まらず、1600mの石塚小屋まで行った方が、翌日少しでも楽になる作戦だったが、失敗だった。
小屋までの道は明らかにバリエーションルートで、川のような道や、丸太の一本橋や
体をくねって岩を乗り越えたり、ハシゴだったり、崖に切り立つ大岩の上を歩いたりと
とにかく面倒なルートで難所が8か所くらいあり、花之江河から2時間近くもかかってしまった。
石塚小屋はブロック作りで見た目よりは快適だ。1階6人、中2階6人程度。すぐ裏にトイレがあり、水場は手前5分で大岩の下から川のように流れており、枯れることはなさそうだ。
ツエルト2枚を中2階の床端からぶら下げて膜を作り空間を狭くして暖をとった。
市橋さんのブランデーお湯割りで乾杯して体を温めた。
石塚避難小屋 中でツエルトを張って寝る
■1/31(寒波、北北西の風15m予想 くもり時々雪)
3:00起床。湯を沸かしコーヒーを飲み4:20小屋を出発。
まだ暗いが粉雪が降っており、上空では風が鳴いている。
花之江河歩道を戻ること2時間30分。暗いので昨日より苦労して分岐までたどり着いた。
市橋さんの背中に付けたパフソーラーが行燈のようで、先頭がどこにいるか一目でわかるのが面白かった。
歩道は氷りきらずにシャーベット状の川になっており歩き辛い。
雪が降っているが、アルプスのような厳しい寒さではなく、体感温度ゼロ℃前後のようだ。
途中、広島から来た若者3人組が追い越していった。
ガスで視界が悪く、どのあたりを歩いているのかよくわからない。
栗生岳に近くなると、森林限界を超えて風がきつくなってきた。
12:00宮之浦岳山頂(標高1936m)。残念ながらガスで展望は望めなかったが、絶妙なタイミングで青年が一人登ってきて、全員並んでの記念写真を撮ってもらう事ができた。
山頂は寒いので少し下ってから休憩しようと先へ進むと、すぐに天候が激変してしまった。


この先は北に向かっての下り斜面で、北風をモロに受けてしまうため、何もかもが凍てついた厳しい景色に変わっていた。風雪に耐えながら少しずつ進んで、くぼみでようやく休憩をとる。
積雪は20センチ程度で、淀川から山頂までの南尾根とでは気象条件が違う事が興味深い。
16:20新高塚小屋。石塚小屋から12時間かかった。
ソロの登山客が4名程度、明日の初日の出に備えて18時には寝袋にくるまっていた。
小屋は広くて40人程度は入れそうだ。トイレは少し離れており一つだけ。トイレブースが4セットあるのでハイシーズンはこちらになりそうだ。水場はわずかな湧き水だけで
6人分集めるのにかなり時間がかかってしまった。
豚汁で体を温めて就寝。
■1/1晴れ
朝の小屋は我がチームだけとなっており、他は初日の出を狙って3時頃から出払っていた。
お雑煮と、黒豆、数の子でおせち料理を頂いてから5:50小屋を出発した。
天気も和らぎ、小鳥のさえずりが聞こえて、初日の出を拝む事ができた。
高塚小屋にはウッドデッキのテントサイトにひと張り有り。小屋は小さく12人程度だろうか。
トイレは洋風便器で使いやすいがひとつだけ。

7:45縄文杉。一番乗りで観光客は誰もいない。静かな縄文杉としばらく対面した。
20年前はガスで何も見えなかったようだが、今回はばっちりだ。
が、厳重な保存のため展望デッキからはかなり遠く、想像していた雰囲気とは少し違う印象だ。


少し進むと、宮之浦岳、翁岳が青空を背景に今回初めての山容を望むことができた。
10:15ウイルソン株到着。15人くらい人がいた。山岳ガイドが連れ添っている。
歩道脇には苔むす川が美しく、大きな切り株がどんどん現れてとても印象的な景色となった。
このあたりから縄文杉への登山客と、すれ違うようになってきた。ほとんどが山岳ガイド連れだ。
11:10大株歩道入口 トロッコ道はどこまでも続き、ふくらはぎがつりそうだった。
13:00楠川分かれ。手前にトイレがある。
予定より遅れてきているので、14:30に予約していたタクシーに時間変更を告げるため、
電波の届く場所を探すよう羽田野2名で先を急ぐことにした。
辻峠では電波が届かなかったが、出会った山岳ガイドさんに
「太古岩なら電波が届きますよ」と朗報をいただいたのですぐに登ってみる。
太古岩からは宮之浦岳、翁岳が望めたもののすぐにガスで見えなくなってしまった。
通信はau×、dokomo〇だった。タクシーは17:00白谷広場に変更いただいて、ほっとした。
辻峠まで下りると後発隊が待ってくれており合流できた。
今度は後発隊が先発となり先を急ぐ。藤森さんが太古岩を見るためひとり登ったがすぐに下りてきた。ガスで何もみえなかったようで残念がっている。



先を急ぐ。16:00苔むす森に到着。なるほど「苔むす森」で、少しガスが出てきて幻想的だ。
至る所から水が湧いており、苔を滴る音が「カチカチカチ」と妖精コダマの音に聞こえてくる。
さつき吊橋17:00先発着。先に広場へ行ってもらいタクシーと会うようにしてもらった。
15分遅れで後発着。ここも通信可能で、民宿におよその時間を連絡した。
17:40白谷広場着。この日も約12時間の行動となり、重たい荷物で皆よく頑張りました。
タクシーで30分、今夜の宿「民宿屋久島」に到着。入浴後の食事では、乾杯のビールが美味い!
羽を広げたままのトビウオの姿揚げが、見た目も味も格別でした。(記録終わり)
【感想】
寒波の影響で宮之浦岳での眺望はありませんでしたが、九州最高峰を雪の中で
縦走できた事は、貴重な体験で、冬山合宿らしい山行となりました。
巨木がいくつも現れてきて感覚が麻痺してしまいましたが、
想像を超えた大きな切り株が登山道脇に数多くあり、
その上に着床した樹木の生命力に元気づけられた気がします。
宮森さんは30年ぶり、市橋、藤森、藤田さんは20年ぶりの山行となり、当時とはまた違った魅力と大変さ?を感じた山行だったと思います。
地形的にベースキャンプではなく、縦走スタイルとなってしまう為に、
どうしても重たい荷を背負っての縦走は大変だったと思います。
反省点としては、計画の時間が誤っていた事で、10月には計画を立てて11月のボッカトレーニングを合宿参加メンバーで行い、計画を練り直したうえで実行出来れば、無理のない計画を立てられたのではないかと感じております。
今度は花の咲いている時期に訪れてみたくなりました。
参加者の皆様、沢山のご指導ありがとうございました。お疲れさまでした。
また、民宿屋久島と宮之浦港タクシーの方には大変親切にしていただき、感謝しております。
(記録 羽田野k)


